急に「電気をつけないと眠れない」と言い出しても、あなたの育て方が悪いわけでも、お子さんがおかしいわけでもありません。暗闇への恐怖は、想像力がぐんと育つ一方で、まだそれを理屈で抑える力が追いつかないときに現れます。うれしいことに、これは幼児期の恐怖の中でもとても向き合いやすいもの。ここでは何が起きているのか、そして年齢ごとにどう寄り添えばいいのかをお伝えします。
どうして子どもは暗闇を怖がるの?
暗闇への恐怖は、想像力が花開く2歳から6歳ごろにあらわれるのが一般的です。この時期になると、目の前にないものまで頭の中で思い描けるようになります。それは遊びのなかではすばらしい力ですが、夜8時にはちょっと厄介ですよね。暗くなると「部屋は安全だ」という目に見える証拠が消えてしまうので、想像力がそのすき間を埋めてしまうのです。これは発達が後戻りしているのではなく、むしろ健やかに育っているサインです。
勇気とは、怖くないことではありません。怖くても、次の小さな一歩を踏み出すこと。それを寝る前に学んだ子は、入園初日や、きょうだいが増えたとき、そして「怖いけど大丈夫だった」というこれからのあらゆる場面で、その力を持ち歩けます。
どの年齢でも役立つ寄り添い方
- 怖い気持ちを本気で受け止める。「何もいないよ」は会話を終わらせてしまいますが、「怖いんだね。どんなふうに怖いのか教えて」は会話を開きます。
- 「お仕事」を渡す。懐中電灯、勇気をくれるお守りのぬいぐるみ、自分でつけられる常夜灯——受け身の恐怖を、自分でコントロールできるものに変えてあげましょう。
- 寝る前の流れを、あえて退屈なほど同じにする。決まった寝る前のルーティンは、「夜は安全だよ」と神経に伝えてくれます。
- 気持ちに名前をつけて、それから作戦を。「怖いんだね。怖くなったときは、こうしようね」
2〜3歳:シンプルに、体で安心を
この年齢の子を理屈で怖がらせないようにするのは難しいので、まずは安心感と「自分でできる感覚」を大切にしましょう。やわらかい常夜灯、大好きな「見張り番」のぬいぐるみ、そして毎晩同じ「おやすみ」の言葉のほうが、どんな説明よりも効きます。あなた自身の声も低く、ゆったりと。子どもはあなたの落ち着きを借りて安心するのです。
3〜5歳:怖さに「お話」を与える
ここは絵本が本領を発揮する黄金期です。というのも、この年齢の子は物語で世界を理解するから。自分によく似た子が怖がって、それでも勇気を出すことを選ぶ——そんな寝かしつけ絵本は、たどるべき「台本」を渡してくれます。だからこそ私たちの寝る前・勇気のおはなしは、子ども自身を主人公の席にすわらせます。ページの中で勇気を出す自分を見た子は、暗闇の中でもその勇気を借りられるのです。
6〜8歳:本当の「できた」を積み上げる
年長の子には、やさしい作戦を一緒に立てられます。怖さを1から10で点数にしてもらい、自分だけの「勇気の道具」を選ばせ、恐怖が小さくなった夜に気づかせてあげましょう。ほめるのは結果ではなく努力を。「怖がらなくてえらいね」より、「自分のベッドにいられたね、懐中電灯もちゃんと使えたね」のほうがずっと力になります。
怖さをやわらげる、シンプルな寝る前の流れ
- 寝る30分前には明かりを落として、眠りのホルモンにスイッチを入れる。
- 毎晩同じ3つのステップ(お風呂・絵本・ぎゅっと抱っこ)——予測できることが安心につながります。
- 主人公が暗闇と向き合い、それでも大丈夫だったお話を読む。
- いつもと同じ「おやすみ」の言葉と、自分でつけられる常夜灯を残して部屋を出る。
- 呼ばれたら、戻るのは短く、あっさり、でも安心させて。
小児科に相談したほうがいいとき
夜の恐怖のほとんどは、根気とルーティンで少しずつやわらいでいきます。ただ、それが何か月も続く、だんだんひどくなる、昼間の生活にまであふれてくる、あるいは腹痛やパニックをともなうときは、小児科医に相談してみる価値があります。暗闇への恐怖が、実は別の不安が姿を変えたものであることもあるからです。
この記事のポイント
- 暗闇への恐怖は想像力が育っているサインで、主に2〜6歳ごろにあらわれます。
- 怖い気持ちをまず受け止め、そのうえで子どもに「お仕事」を——常夜灯、懐中電灯、勇気のお守りのぬいぐるみを渡しましょう。
- 3〜5歳の子には絵本が一番。自分に似た主人公が勇気を出す姿が、まねできる台本になります。
- 寝る前の流れは予測できる形に。恐怖が強い・長く続く・昼間にまで及ぶときは小児科医へ。
よくあるご質問
常夜灯をつけたまま寝かせても大丈夫ですか?+
はい。あたたかく控えめな常夜灯は、健やかな安心の道具です。まぶしい青白い光より、琥珀色や赤みのある色を選び、子ども自身が少しコントロールできるようにしてあげましょう。
「ベッドの下におばけがいないか見て」と言われたら?+
おばけの存在を認めるのではなく、怖い気持ちのほうを受け止めてあげましょう。懐中電灯や見張り番のぬいぐるみなど、子どもが自分でコントロールできる「勇気の道具」を試して。自分の力で暗闇に向き合えると学べます。
寝る前の絵本は、本当に暗闇の怖さに効きますか?+
はい。この年齢の子は物語で理解します。自分に似た子が怖がりながらも勇気を出すお話は、明かりが消えたときに借りられる台本になってくれます。
執筆 The Hello Storybook Team, 親であり、書き手であり、物語の紡ぎ手.
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