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おやすみと大きな気持ち

イヤイヤ期の癇癪を乗り切る 落ち着いて向き合う親のためのガイド

The Hello Storybook Team · 親であり、書き手であり、物語の語り手2026年6月28日約8分で読めます
日差しの入る居心地のよいリビングで、癇癪を起こす子どもの横に静かに膝をついて寄り添う親。

床にひっくり返って泣きわめく子のそばでこれを読んでいる方も、次の嵐に身構えている方も、あなたはひとりではありません。イヤイヤ期の癇癪は、幼児期でいちばん普遍的で、いちばん消耗する出来事のひとつ。そしてほとんどの場合、あなたのやり方が間違っているわけではありません。この記事では、なぜ癇癪が起きるのか、その場で本当に役立つことは何か、そして親自身の気持ちをどう保つかをお伝えします。長い目で見れば、日々の会話や大きな気持ちを扱う寝かしつけの絵本を通して感情の言葉を育てることが、まだ持っていない「対処する力」を子どもに与えてくれます。

なぜイヤイヤ期に癇癪が起きるのか(わがままではありません)

癇癪は、あなたを困らせようとたくらむ小さな悪者ではありません。まだ発達途中の脳が、いまできることをしているだけです。衝動をコントロールしたり理屈で考えたりする脳の部分——前頭前野——は、あと20年ほどかけてようやく完成します。その一方で、感情の警報システムだけはすでにフル稼働で、しかも大音量なのです。

だから、思いどおりにいかない苛立ちや、空腹、眠気、「緑じゃなくて青いコップがよかったのに」といった小さな不満に押しつぶされたとき、子どもは本当に「ただ落ち着く」ことができません。感情があふれてしまっているのです。癇癪とは、扱いきれないほど大きな気持ちが表に出た結果。あなたの役目は気持ちを止めることではなく、その嵐を一緒にくぐり抜ける、落ち着いた大人でいることです。

90秒ルール

強い感情の裏で起きる体内の化学的な高まりは、火に油を注ぎ続けなければ、およそ90秒で体を通り抜けていくと言われています。癇癪を長引かせる大きな原因は、実は言い合いや脅し、取引といった親子のやりとり。ときには、静かにそばにいて波が過ぎるのを待つことが、いちばんやさしい対応になります。

癇癪が起きた、その場でできること

パニックの真っ最中は、シンプルであるほどうまくいきます。長い説明は誰の心にも届きません。かわりに、こんな順序を試してみてください。

  • 低い姿勢で、安全を確保する。子どもの目線まで下がりましょう。たたいたり危ない場所にいたりするなら、まず安全なところへ——荒っぽくではなく、落ち着いて移動させます。
  • 気持ちに言葉をつける。「テレビが終わっちゃって、すごく悔しいんだね。つらいよね」。名前をつけてあげると、子どもの脳に「わかってもらえた」と伝わり、警報が静まります。
  • 話すのをやめて、待つ。直そうとしたり、お説教したり、交渉したりしたくなる気持ちをこらえて。落ち着いたあなたの体そのものがメッセージです。
  • ごほうびではなく、つながりを差し出す。背中にそっと手を添える、ただそばにいる。泣きやませたくてお菓子を買うのはNG——「癇癪を起こせば手に入る」と学んでしまいます。
  • おさまったら、もう一度つながる。落ち着いたら、ぎゅっと抱きしめてひと言。「大きな気持ちだったね。一緒に乗り越えられたね」

自分が爆発しそうなとき、どう落ち着くか

耳の痛い真実を言えば、癇癪への対応でいちばん難しいのは、実は自分自身をコントロールすることです。泣き叫ぶ子どもは、数秒であなた自身のストレス反応を乗っ取ります。そして、あふれてしまった親は、あふれてしまった子どもを落ち着かせられません。共に落ち着く「共同調整」は、落ち着いた大人から下流へと流れていくものだからです。

何かを言う前に、ゆっくりと一度だけ息を吐き出しましょう——長い呼気は、あなた自身の神経系に「安全だよ」と伝えます。そして、こう言い換えてみてください。「この子は私を困らせているのではなく、この子自身が困っているんだ」。もしつい怒鳴ってしまっても(人間ですから、そういうこともあります)、完璧な反応より、そのあとの「仲直り」のほうがずっと大切です。「イライラして大きな声を出しちゃった。あなたのせいじゃないよ。ごめんね」。このひと言は、どんなお説教よりも感情について多くを教えてくれます。

子どもは、いつも落ち着いている親を必要としているわけではありません。必要なのは、落ち着きを取り戻せる親、そしてその取り戻し方を見せてくれる親です。

冷蔵庫に貼っておきたい、視点の切り替え

癇癪を起きる前に減らす工夫

すべての癇癪を防ぐことはできませんが、確率を下げることはできます。ほとんどの癇癪は、いくつかの予測できる引き金にたどり着きます。そして子どもは、リズムと「予告」があると安心して過ごせるものです。

  • 「おなか・イライラ・さみしさ・眠気」の基本をチェック。空腹、不機嫌、孤独、疲れ。おやつと早めのお昼寝は、どんな気の利いたテクニックより多くの癇癪を防ぎます。
  • 切り替えには「助走」を。「あと2回すべったら、お靴はこうね」。突然の「おしまい」は、子どもにとって不意打ちに感じられます。
  • 枠の中で選ばせる。「赤いコップと青いコップ、どっちがいい?」——安全に任せられるところで、子どもに主導権を渡してあげましょう。
  • 年齢に合った期待を。長いレストランでの食事や、静かにしていなければならないお店は、2歳児には荷が重すぎます。うまくいく状況を、あらかじめ整えてあげて。

長い目で見た感情の力を育てる

癇癪は、子どもが言葉と自己調整の力を身につけるにつれて減っていきます。そしてその成長は、嵐の外——みんなが落ち着いているときに手助けできます。大きな気持ちに名前をつけることこそ長期戦のカギ。子どもは感情の言葉を、癇癪の真っ最中ではなく、物語や遊びを通していちばんよく学びます。

登場人物が怒ったり、悲しんだり、怖がったりしながら、それを乗り越えていく絵本を読んであげましょう。あなた自身の気持ちも声に出して。「このビンのふた、開かなくてイライラしちゃう。深呼吸してみよう」。「おなかの深呼吸」やちょっとした落ち着くための動きを、遊びとして練習しておくと、いざというときにその道具がすでになじみのあるものになります。とりわけ、子ども自身が主人公になって大きな気持ちを乗り越え、ちゃんと大丈夫になる——そんな物語は強力です。子どもは「自分ごと」として物語から学ぶからです。

癇癪が「それ以上」かもしれないとき

癇癪の大半は正常な発達で、専門家の助けはいりません。でも、あなたの直感を信じて、次のような場合は小児科医に相談してみてください。4〜5歳を過ぎても激しく頻繁な癇癪が続く、しょっちゅう自分や他人を傷つける、同年代の子より明らかに長引く(たいていの場合15〜20分をはるかに超える)、あるいは言葉・睡眠・人とのつながりに遅れが見られるとき。相談することは大げさな反応ではありません——それこそがよい子育てです。

大きな気持ちに寄り添うやさしい道具

子どもに感情を教えるいちばん効果的な方法のひとつは、大きな気持ちを上手に乗り越える自分自身を、その子に見せてあげることです。Hello Storybookでは、お子さんが主人公になる名前入りの絵本をつくっています。「その子」が気持ちに名前をつけ、深呼吸をして、気分がよくなる——そんな心が落ち着く寝かしつけの絵本は、本物の場面が来たときに借りられる「台本」を子どもに授けてくれます。静かな夜に一緒に読むこの時間は、その場のどんなお説教にもできない教育になります。まずはサンプルの絵本をのぞいて、どんなものか見てみてください。

うまくいっている日にこそ読んで

感情の力を育てるいちばんいいタイミングは、誰も泣きわめいていないときです。気持ちについての絵本を、毎晩落ち着いて、繰り返し読んであげること。それが、いつかお子さんが手を伸ばす言葉を、あらかじめ心に植えてくれます。

この記事のポイント

  • 癇癪はわがままではなく発達段階のひとつ。イヤイヤ期の脳は、まだ自分で気持ちをコントロールできないのです。
  • その場では、低い姿勢になって気持ちに名前をつけ、落ち着きを保つ。交渉やごほうびで泣きやませないこと。
  • 空っぽのコップから落ち着きは注げません。まず親自身の神経系を整え、つい爆発してしまったらあとで仲直りを。
  • 落ち着いた日にこそ感情の力を育てる。気持ちに名前をつけ、深呼吸を遊びにし、登場人物が大きな気持ちを乗り越える絵本を読んで。

よくあるご質問

イヤイヤ期の癇癪はいつがピーク?+

癇癪はたいてい1歳半ごろから始まり、2〜3歳でピークを迎え、言葉と自己調整の力が育つ4歳ごろにかけてしだいにおさまっていきます。就学前の時期まで時々起こるのも、まったく正常なことです。

子どもの癇癪は無視すべき?+

子どもを無視するのではなく、交渉したりごほうびを与えたりするのを断ればよいのです。落ち着いてそばにいて安心感を与え、気持ちに名前をつけ、お説教は避けましょう。無視したり言い合ったりするより、つながりのほうが感情の波を早く過ぎ去らせてくれます。

癇癪の最中、どうすれば落ち着いていられる?+

まず長くゆっくり息を吐いて、自分の神経系を落ち着かせましょう。そして「この子は私を困らせているのではなく、この子自身が困っているんだ」と思い出して。言葉は少なく、体は穏やかに。もし冷静さを失ってしまったら、あとでシンプルに素直な謝罪で仲直りを。

執筆 The Hello Storybook Team, 親であり、書き手であり、物語の語り手.

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